ハヤト君が必死になって弁解する。

「いやっ、本当に知らなかったんだって! 母さんの誕生日プレゼント、どうしようか悩んでたら、姉貴が薦めてくれた店だったんだよ。行ってみたら、小山がいて、オレも驚いた」

「ツムギちゃんもいたの!? ズルいっ」

 そ、そうだよね。サキちゃんだって、ハヤト君のこと好きなんだもんね。休日に私だけハヤト君と会ってた、なんて、そんなつもりはなかったんだけど、抜けがけしちゃったんだ。

「ご、ごめんね、サキちゃん」

「…ツムギちゃんが謝ることじゃないよ」

 サキちゃんは我に返ったみたいに、急にシューンとしてしまった。

「ううん、嫌な気持ちにさせちゃって、ごめんね」

 同じ人を好きどうしだからこそ、今のサキちゃんの気持ちは容易に想像できる。想像だけでも、私、胸の痛みで泣けちゃうかも…

「じゃあ、お詫びに、私をツムギちゃんのお母さんのお店に連れてって」