週明けの休み時間、お花を摘み終えて、教室に戻ってくると、ハヤト君から話しかけられた。

「母さんに例の誕生日プレゼント渡したんだけど、かなり気に入ってくれたよ。おいしいし、効能もあるって。『気に入り過ぎて、すぐに飲み切りそうだから、今度、自分でも買いに行く』ってさ」

 ハヤト君の笑顔が嬉しかった。

「よかったー。お母さんにも伝えておくね。きっと喜ぶと思う」

「『同級生のお母さんのお店だ』って教えたら、小山のお母さんと友達になりたがってた。だから、『おしゃべりなオバさんだけど、もしよかったら…』って伝えてよ」

「大丈夫。私のお母さんもおしゃべりなオバさんだから。きっと気が合うよ」

「そうかもな。でも、あの居心地のいい空間で試飲させたら、本気でいつまでも居座ると思う。そこんとこは気をつけて」

「私もあのカウンターで長居することあるから平気だよ。私、つい最近まで、あのお店ってお母さんの趣味みたいなもんだと思ってたんだよね」