お母さんが、『さあ』と言って、パンッと軽く手を叩いた。

「この話はここまでにして、本題に戻りましょう!」

「本題…って、何だっけ?」

「ツムギ、それはひどいわぁ。でも、大丈夫よ。ツムギを通して話は聞いてたから。余分な魔力をもらっていいのね? 後で必要になったときに返してもいいけど」

「ねぇ、今まで、煎じ薬を我慢してきたけど、ショコラに吸収してもらえばよかったんじゃないの?」

「校外学習中だけなら全く問題ないんだけど、日常的にっていうのは危険よ。それはやめておいた方がいいわ。使い魔の私が言うのも変だけど」

「危険って?」

「魔力を吸収するときって、気力も一緒にもらってしまうものなの。はじめは、ほんの微量なんだけど、徐々にその量は増えていくのよ。くれるなら、喜んでもらうけど?」

 ショコラがワザと悪役顔を見せた。