「あの日、懐かしい魔法の気配を感じたわ。ツムギのおばあちゃんの魔法は、赤紫の…それも毒々しい感じに私には視えるの。でも、その日のは、よく似てるのに、毒々しさのすっぽり抜けた淡いピンクに視えて、それがすっかり気に入っちゃったわ。ふふっ、もう分かるでしょ? それがツムギだったの」

 私とおばあちゃんの魔法の気配が似てるって、仕方ないのかなー。

 でも、私のは、おばあちゃんの毒々しさがないってのは、大いに気に入ったかも!

「それにしても、ツムギのお母さんは、よく私が石だったって分かったわね。お店ではさらっと複雑な魔法使ってるし、確かに魔力は弱いかもしれないけど、お母さんも何気にすごい魔女よね?」

「あの人に鍛えられましたから」

 お母さんが苦笑いする。

「魔力って強くできないの?」

「身長みたいなものよ。牛乳を飲んだって、たくさん寝たって、背は伸びないでしょ? 生来、決まってるものなの」