「お母さん、私にも理解できるように説明して」

「お母さんもショック過ぎて混乱してるわー。何から説明したらいいのかしらね? 話が長くなるわ、きっと…」

 お母さんは、お店のドアに掛けてるプレートを裏返して、『open』から『closed』に変更した。

 黒猫は私の足下までやってくると、私を見つめて、ニャアと鳴いた。

「お母さんも、ハーブティー飲もうっと」

 そう言うと、また棚から、あれこれガラス瓶を選び始めた。

 ハーブティーを準備ながら、お母さんがボソッと言った。

「…今まで内緒にしてたんだけど、お母さん、実は魔女……なのよね」

 まじょ?

「っぷははは。お母さん、真剣な顔して、何、言っちゃってるの!? 厨二病じゃあるまいし! 中2なのは、私の方だよ?」

「…ちょっと上手いこと言ったわね。でも、本当。魔女なのよ、お母さん」

 お母さんの真剣な様子から、もうこれ以上は茶化してはいけないことが伝わってきた。