魔女の恋は空回る

 どう見ても猫、猫だよね? まさか新種の犬だとか言うつもり?

「何なのって…石でしょ? 石って言っても、ほら、アレよ。その辺に転がってる石ころじゃなくて、パワーストーンって言えばいい? スピリチュアル系の…」

「ツムギのお母さん、当たりだわ」

 ショコラが姿を見せた。

「私、ブラックオニキスっていう種類の石だったの」

「数珠に使われたりする石よ」

 お母さんが、補足してくれた。

「えっ、じゃあ、ショコラはブラックオニキスだったのに、どうやってその姿になったの?」

「ご想像の通りよ。魔女が自分の使い魔にしたくて、魔法をかけて、猫の姿に変えたのよ」

「えっ、じゃあ、その魔女の使い魔をしなくていいの?」

「しばらくは使い魔として仕えてたわよ。私、筋は通す派なの。その魔女からは『おはぎ』って名前をもらったわ。でも、黒猫に飽きたんですって。次は白い鳩がいいって、契約解除されたわ」