サキちゃんと別れ、私は家に向かって歩いてた。

 ショッピングモールから遠ざかり、ひと気がなったとき、ショコラが現れた。

「今日ずっと、あの子のこと見張ってたけど、何も起きなかったわね」

「あんな人混みで魔法を使わないでしょ。私だって使ってないし」

「それもそうね…でも、あの子、魔女っぽさがないわ」

「魔女っぽさって? 私にはある?」

「うーん、そう言われると、ツムギも魔女っぽさなんて、カケラもなかったわね。魔法を使ってるその瞬間だけ、唯一、魔女っぽい」

「ショコラ、いい加減過ぎー」

 笑いながらも、私はずっと考えていた。

 今朝、あれだけ心配してたのがウソみたいに楽しかった。今日1日だけで、サキちゃんとずいぶん仲よくなれたし。

 誘ってくれたサキちゃんに感謝だし、来てよかった。本心からそう思ってる。