「おはよ〜。うぅ、寒い…」

顔を真っ赤にしながら舞岡さんがやって来た。

暖かそうなダウンジャケットをガサガサ言わせながら、どさっと席に着く。

「おはよう」


今日も舞岡さんは授業を超真面目に聞いている。

だけど、時々、舌を出しながら俺にルーズリーフをまわしてくる。

その紙に書かれているのは…


「先生、授業始まってから30分の間に口癖の『あの〜』を60回言ったよ!」


だって。

真面目に板書してるな〜なんて思ってると、時々こうやっていたずらっ子みたいなことするんだよね、舞岡さんって。

俺はいつもそんなところを見て楽しくなるんだけど…


「正の字」が12個も書かれている紙。


俺はこう返事した。

「暇人だね!(笑)」


俺はまた舞岡さんに紙を戻したら、次は先生の似顔絵を描き始めた。