「杉山さんって。見かけに寄らず・・・って感じだよね。」
笑顔で言い始める。
「え?どういうこと?」
「見た目は、真面目だし、成績も優秀で、先生からも期待されてて・・・・。
 でも、煙草吸うよね?」
びっくりした。
地元でしか吸ったことないのに。
私の家も・絵麻ちゃんの家も、高校から電車で1時間かかるところだし。
人違いだと思った。でも、動揺した。

「人違いじゃない?」

「じゃあ、これは何?」
スマホの写真を見せられた。

『私だ。』
動揺した。まさか写真まであるとは・・・。

「今、動揺したよね。(笑)やっぱり、杉山さんなんだね。」

何も言えなかった。

「あと、もう一つ。」

『まだ、あるの?』

「杉山さん、援助交際してるよね。
 わざわざ、ロッカーに学校カバン入れて、トイレで変装して。
 いろんな男の人と会ってるよね。お金もらってるよね。」
笑顔は変わらないけど、目は笑ってなくて真剣。
また、スマホの写真を見せられた。
ロッカーにいる私、トイレから出てきた私、男と歩いてる私が何枚か。

『ああ。言い逃れできない。
ってか、なんなん?私が何してようと関係ないじゃん。』

「関係ないじゃん。私が何してようと・・・。」
開き直って言った。

「本当のことなんだね。へえ~。」
「だったら何?お金?成績落とせとか?」
「そんなことしないよ。」
笑顔が崩れないが、少し嫌味な言い方をしてきた。

「俺に消してください。って言って。」

『はあ、何それ。でも消してほしい。』

「消してください。」
「ヤダ。」

『はあ?なんで言わせた?』
と思った途端、怒りと動揺で足元がふら付いた。

プールに落ちた。
高崎君が手を伸ばして、助けようとしてくれたが、一緒に落ちてしまった。
『最悪。でも、巻き込んでしまった。』

2人で、びしょ濡れになった。
「ごめんさない。」
「いや。いいよ。」
高崎君は、制服を脱ぎ、絞っていた。

遠くのほうから
「高崎君」
「裕一君」
と、叫ぶ声が聞こえた。

『ヤバい。こんなとこ見られたら巻き添え食らう。どうしよう。』