私は、旭日大学医療センターの小児科医で勤務している高崎唯(旧姓杉山)。
30歳。
父は、旭日大学医療センターの外科部長。
母は小学校の教師。
両親ともあまり家にいなかった。両親や周囲の人は、私は医師になるものだと決めつけていた。大きな期待をされていた。
 3歳下の妹がいて、妹は我が道を行くタイプで期待はされてなかったため美容師になった。でも、両親や親族からも可愛がられていた。
 今では両親・周りからは期待通りに育って満足されているようだ。

 でも、実は、ずっと猫を被って生きていた。
今は、もう普通に自分らしく生きている。
しかし、高校生までは、表と裏の顔があったのだ。

 それを唯一知っているのが、3年前に結婚した旦那。
 旦那はがん医療センターの呼吸器内科医師の高崎裕一。30歳。
 両親とも、医師で内科クリニック開業している。
 旦那もまた、両親の期待を一身に背負った人だった。

旦那とは旭日大学付属の高校・大学で一緒だった。