アンドロイド・ニューワールド

…バドミントン?

バドミントンなら、私も知っています。

やったことはありませんが。

ラケットで、シャトルを打ち合うスポーツです。

…ん?

「バドミントンなら、車椅子でも可能なのでは?」

「…」

「この学園に、バドミントン部はないのですか?」

と、私は聞きました。

スポーツの盛んな学校なら、バドミントン部くらいありそうなものですが。

もしかして、ボディビルディング部もあるのでしょうか?

「…あるよ」

と、緋村さんは答えました。

あるんですか。

「なら、何故入らないのですか?車椅子でも、バドミントンは可能です」

「…そう…かもしれないけど…」

「何か問題でも?」

と、私は聞きました。

先程から緋村さんは、私と視線を合わせようとしません。

ずっと、居心地が悪そうです。

私が目の前にいるのが、不快なのでしょうか。

それとも、この話題が不快なのでしょうか。

「…」

と、遂には無言になってしまいました。

そこで私は対応策として、メモ帳とシャープペンシルを取り出しました。

「…言葉にするのが苦痛なら、筆談でどうぞ」

「え?いや…そういう訳じゃないけど…」

「では、何故無言なのですか?」

「…それは…」

「何も疚しいことがないなら、堂々と言えば良いと思いますよ。趣味嗜好は、個人の自由なのですから。何なら校内放送で、『私は生粋のロリコンです!』と宣言しても、それは個人の自由です」

「…さすがにそれは、例え自由でも、誰もしないと思う…」

と、緋村さんは呟きました。

そうでしょうか?

趣味嗜好は個人の自由なのですから、別に堂々とロリータコンプレックス宣言をしても、何も責められることはないと思うのですが。

すると。

「…前に、入ろうとしたことがあるんだ。星屑学園に入学してすぐ」

と、緋村さんは語り出しました。

沈黙を破ることにしたようです。

「バドミントン部にですか?」

「そう」

「でも、今は入ってないということは…やめてしまったのですか?」

「いや…。やめてない。そもそも、入れなかったんだ」

「…」

と、これには私が無言になってしまいました。

何故かと言うと、驚いたからです。