「ふむ…。うん、そう言うだろうと思ったよ。君なら」

「私は不良品でしょうか」

と、私は言いました。

もし私が、局長達の望む『新世界アンドロイド』になれないのから。

それはつまり、私が不良品であるということに他なりません。

「『Neo Sanctus Floralia』に不良品のアンドロイドはいない。一人として」

と、局長は言いました。

「何故なら、どんなに欠点があろうとも、彼らにそれを克服させ、一人一人が素晴らしい長所を持つアンドロイドに育てる。それが、『Neo Sanctus Floralia』の存在意義だからだ」

と、局長は言いました。

つまり。

「私も欠点がありますが、私はこれからそれを克服し、素晴らしい『新世界アンドロイド』になるということですか」

「その通り!」

理解しました。

私には現在、『新世界アンドロイド』には欠かせない(らしい)、人間的な感情の欠如という欠点があり。

これから、それを克服する為の訓練を始めることになるという訳ですね。

初めからそのような説明があれば、もっと分かりやすかったのですが。

私としたことが、理解に時間がかかってしまいました。

「そこで君にはこれから、『人間交流プログラム』を受けてもらうことになる」

と、局長は言いました。

今まで、数々の訓練をこなしてきましたが。

このような名称の訓練は、初めて耳にしました。