その日。

結局、私と、湯野さんと悪癖お友達が言葉を交わすことはありませんでした。

喋るなと言われたので、喋りたくても喋れません。

しかも、文通によって意思疎通を図ろう、と画策してみたのですが。

彼女は、私が差し出したメモに見向きもせず。

まるで私が見えていないかのように、完全に存在を無視されてしまいました。

私が消えないので、彼女の方が、「私は消えた」と思い込むことで、私の存在を目の前から消したようです。

賢いですね。

それはともかく、私が友人を失ってしまったのは、変えることの出来ない事実。

誠に遺憾です。

故に私はその日、放課後。

いつもの賑やかアパートに戻って、ノートパソコンを起ち上げました。

今日は、定時連絡の日ではありませんが。

私に友達が出来た、と信じ込んでいる久露花局長と朝比奈副局長に、今日の残念なお知らせを伝えなければなりません。

そして。

『えぇぇぇぇ!?』

友達だと思っていた人は、全然友達ではなかったようです、と伝えた結果。

久露花局長は、目を見開いてそう言いました。