アンドロイド・ニューワールド

翌日。

私は、待ち合わせ場所の駅で待機していました。

すると、待ち合わせ時間の10分ほど前になった頃。

奏さんが、車椅子に乗ってやって来ました。

良かったです。

もし奏さんが、今日の予定を忘れたり、すっぽかしていたら。

私は今日一日中、ここで待っていなければならないところでした。

「おはようございます。奏さん」

「…おはよう…」

と、奏さんは言いました。

何故か、反応が鈍いです。

体調でも優れないのでしょうか。

「どうかしましたか?」

「いや、あの…。どうしたの?その大きなリュックは…」

と、奏さんは、私が背負ったリュックサックを指差して聞きました。

あぁ、私の手荷物のことですね。

「どうもこうも、ただのリュックサックですが…」

「…随分大きな荷物だね。泊りがけみたい…」

「?だって、このくらいは必要なのでは?」

「え?」

「奏さんは、随分軽装ですね。そんなに自信があるんですか?」

と、私は聞きました。

よく見たら奏さんの格好は、ラフな白いシャツに、赤いチェック柄の上着を羽織っています。

これから行く先のことを考えれば、非常に軽装だと言わざるを得ません。

対する私は、動きやすくて伸縮性の高い、上下黒のジャージの下に。

こっそり、防刃ベストを着込んでいます。

これなら、万一のことがあっても大丈夫だと思ったのです。

「じ、自信って…。何の自信?」

と、首を傾げて、奏さんは言いました。

成程。どうやら奏さんは、爬虫類に対する知識が乏しいようです。

ではここで、今一度、気を引き締めておく必要がありますね。

「奏さん。相手は爬虫類です。近年ではペットとして飼われている、品種改良された種族もいますが。もとはヘビやワニのように、人間を攻撃する種族もいます」

「う、うん…?」

「その為、私は万全な対策をしてきました」

と、私は言いました。

同時に、ずっしり重いリュックサックを地面に下ろし。

リュックサックのチャックを開けて、中身を奏さんに見せました。

「…」

と、奏さんは無言でした。