国内の…。

それも、県内ですか。

「…何だか、一気に近場になりましたね」

「…そりゃあね…最初宇宙規模だったからね…」

と、奏さんは言いました。

奏さんは、宇宙はあまり乗り気になれないようです。

しかし、お友達の要望とあらば、応えるのが筋というものです。

「では県内にしましょう」

「うん、瑠璃華さんは何処に行きたい?」

「…?先程から、私の行きたいところばかりを聞いてきますね。奏さんは、行きたいところはないのですか?」

「俺は、瑠璃華さんの行きたいところなら、何処でも…。あ、出来れば車椅子でも入れる施設が良いかな」

「分かりました」

と、私は答えました。

私は、特に行きたいところがある訳ではないのですが。

奏さんは私に一任するつもりのようなので、私が考えましょう。

「では、明日までに県内で、奏さんが好みそうな観光地を探してみます」

「うん、分かった。俺は瑠璃華さんが行きたいところで良いからね」

と、奏さんは言いました。