「…は?何言ってんの?」
と、湯野さんは首を傾げました。
分からないなら、何度でも言います。
「私は、あなたとは友達にはなりません。つい先程まで、借り物競争を通して、またあなたと友情を育もうなどと考えていましたが、それはやめます。たった今、やめることに決めました」
「は…?」
「何故なら、あなたは私の友達を、奏さんを侮辱したからです。私は私の友達の味方です。友達を傷つける人は敵です。敵と友達にはなれません。だからあなたは、今後私と友達になることはないでしょう」
と、私は言いました。
『人間交流プログラム』の趣旨を考えれば、私はこのようなことを言うべきではないのでしょう。
奏さんだけではなく、もっと多くの友人を作るべきなのでしょう。
しかしそれでも、この人だけは別です。
この人とは、決して友情が芽生えることはありません。
例え向こうから頼まれたとしても。
願い下げ、というものです。
「る、瑠璃華さん…」
「は…?いきなり何言ってんの…」
と、奏さんと湯野さんはそれぞれ言いました。
しかし、私は自分の考えを改めるつもりはありません。
成程、碧衣さんが紺奈局長を侮辱されたときも、こんな気持ちなのでしょうか?
確かに、半壊とまでは行かずとも、横っ面を回し蹴りしたくなるほどには、怒りを感じますね。
「奏さん。私を気遣ってくれてありがとうございます。ですが、そのせいであなたが傷つけられるのは、それは嫌です」
と、私はまず、奏さんに向かって言いました。
「瑠璃華さん…」
「ですから、私のことは気にしないでください。大丈夫。私は必ず、誰よりも多額の借金をもぎ取ってきますから」
「…は?」
と、奏さんは首を傾げました。
が、その前に。
私は、改めて湯野さんに向き合いました。
「そして湯野さん、あなたに言いたいことがあります」
「な、何よ…」
と、湯野さんは若干、たじろいだ様子でしたが。
関係ありません。
「あなたの言う通り、運動会で出場する種目など、何でも結構です。しかし…私の友達を侮辱したことは許せません。幽霊呼ばわりすることも許せません。足を引っ張るとはどういう意味ですか?奏さんがいつ、皆さんの足を引っ張ったと言うのですか」
「そ、それは…。…あんたは知らないわよ」
「はい。私は知りません。だから教えてください。納得出来る理由があるなら、私も引き下がります」
「…それは…だって、こいつがいたせいで、中学のときの運動会が…」
「こいつではなく、名前で呼んでください。彼には緋村奏という、とても立派な名前があります」
と、私は言いました。
幽霊だとか、こいつだとか、何ですかその呼び方は。
あなたは小学校に戻って、道徳の授業をもう一度受けてくるべきです。
と、湯野さんは首を傾げました。
分からないなら、何度でも言います。
「私は、あなたとは友達にはなりません。つい先程まで、借り物競争を通して、またあなたと友情を育もうなどと考えていましたが、それはやめます。たった今、やめることに決めました」
「は…?」
「何故なら、あなたは私の友達を、奏さんを侮辱したからです。私は私の友達の味方です。友達を傷つける人は敵です。敵と友達にはなれません。だからあなたは、今後私と友達になることはないでしょう」
と、私は言いました。
『人間交流プログラム』の趣旨を考えれば、私はこのようなことを言うべきではないのでしょう。
奏さんだけではなく、もっと多くの友人を作るべきなのでしょう。
しかしそれでも、この人だけは別です。
この人とは、決して友情が芽生えることはありません。
例え向こうから頼まれたとしても。
願い下げ、というものです。
「る、瑠璃華さん…」
「は…?いきなり何言ってんの…」
と、奏さんと湯野さんはそれぞれ言いました。
しかし、私は自分の考えを改めるつもりはありません。
成程、碧衣さんが紺奈局長を侮辱されたときも、こんな気持ちなのでしょうか?
確かに、半壊とまでは行かずとも、横っ面を回し蹴りしたくなるほどには、怒りを感じますね。
「奏さん。私を気遣ってくれてありがとうございます。ですが、そのせいであなたが傷つけられるのは、それは嫌です」
と、私はまず、奏さんに向かって言いました。
「瑠璃華さん…」
「ですから、私のことは気にしないでください。大丈夫。私は必ず、誰よりも多額の借金をもぎ取ってきますから」
「…は?」
と、奏さんは首を傾げました。
が、その前に。
私は、改めて湯野さんに向き合いました。
「そして湯野さん、あなたに言いたいことがあります」
「な、何よ…」
と、湯野さんは若干、たじろいだ様子でしたが。
関係ありません。
「あなたの言う通り、運動会で出場する種目など、何でも結構です。しかし…私の友達を侮辱したことは許せません。幽霊呼ばわりすることも許せません。足を引っ張るとはどういう意味ですか?奏さんがいつ、皆さんの足を引っ張ったと言うのですか」
「そ、それは…。…あんたは知らないわよ」
「はい。私は知りません。だから教えてください。納得出来る理由があるなら、私も引き下がります」
「…それは…だって、こいつがいたせいで、中学のときの運動会が…」
「こいつではなく、名前で呼んでください。彼には緋村奏という、とても立派な名前があります」
と、私は言いました。
幽霊だとか、こいつだとか、何ですかその呼び方は。
あなたは小学校に戻って、道徳の授業をもう一度受けてくるべきです。


