アンドロイド・ニューワールド

…湯野さん。

あなた、今、何て言いましたか?

「っ、それは…」

「あんたがクラスに一人いるせいで、どれだけ皆に迷惑かけてると思ってんの?どうせ当日は休むんだし、あんたには関係ないでしょ?黙っててくれる?」

「…でも…。でも、瑠璃華さんは…俺と違って、運動神経も良いんだし…」

「そういうの関係ないから。どうせ電波ちゃんは、何の種目でも喜ぶよ。ねー電波ちゃん?」

と、湯野さんは、いつもの悪癖笑顔でこちらを見ました。

何故でしょう。

今私は、彼女の横っ面に回し蹴りをしたくて堪らない。

そんな衝動に駆られています。

その衝動を必死に抑えながら。

「…湯野さん」

「何?」

「私は、あなたとは友達になりません」

と、私は言いました。

私のアンドロイド生が始まってから、こんな一大決心をしたのは、初めてかもしれません。

胸の中が、不快感でいっぱいです。

久露花局長が言っていました。
 
この不快感は、怒りという感情なのだと。