すると。
「だとしたら、やはり紺奈局長は優秀ですね」
と、1110番は言いました。
笑顔で。
これは凄いことです。
基本的に、『新世界アンドロイド』には喜怒哀楽、つまり人間の感情がありません。
その為、感情が顔に出る、表情が変わるということも滅多にありません。
とはいえさすがの私も、表情が全くない訳ではありません。
以前久露花局長に「うっかり3ヶ月分注文しちゃった!ヘレナちゃんにもあげる〜」だとか言われ、ダース単位でチョコレートの箱をもらったときには。
現場を見ていた朝比奈副局長によると、私もうんざりしたような顔を見せていたそうです。
それは当然ですね。
しかし中には、私よりもっと表情が乏しく、全く人間的な部分を持っていない『新世界アンドロイド』もいます。
どちらかと言うと、私も表情に乏しい部類に入ります。
だからこそ私も、その人間の感情を理解する為に、『人間交流プログラム』に参加しているのです。
勿論、『新世界アンドロイド』によってそれぞれ個体差はあります。
そして1110番『アロンダイト』は、『新世界アンドロイド』の中でも、最も「人間的」な感情を持っている個体でした。
だからこそ紺奈局長は『人間交流プログラム』の最初の被験者を、1110番に選んだのでしょう。
何せ1110番は、『Neo Sanctus Floralia』にいたときから、笑うことが出来ましたが。
基本的には、局長や副局長の命令を聞き、その命令を忠実にこなす以外に、自分の意見を口にすることはないのが、『新世界アンドロイド』です。
それなのに1110番は、割と稼働初期の段階から、表情が豊かで、感情表現を示していました。
とはいえ、その相手は主に紺奈局長相手だけであり。
他の人物に対しては、ほぼ全く感情を示さなかったのですが…。
そういう意味では、1110番は、とても偏った特徴を持っていたと言えます。
だからこそ紺奈局長は、自分に対して以外にも感情を広げるように、と。
『人間交流プログラム』を立案し、1110番に受けさせたのでしょうね。
そして、その効果は絶大なものだったと推測出来ます。
1110番の言う通り、紺奈局長は優秀です。
何故なら今、1110番は。
紺奈局長以外の人物、つまり私に対して…笑顔を見せているのですから。
これは、1110番の成長と言えるでしょう。
『人間交流プログラム』には、確かな効果があるのだと実証されました。
「そうですね。今のあなたの様子を見るに、紺奈局長の考案した『人間交流プログラム』は、『新世界アンドロイド』にとって有効だったと考えられます」
「『新世界アンドロイド』…ですか。確か第4局では、そう呼んでるんでしたね」
と、1110番は言いました。
そういえば、そうでしたね。
我々アンドロイドに対しては、様々な呼称があり、統一されていません。
所属する局によって様々です。
私が自分を『新世界アンドロイド』と自称しているのは、第4局がそういう方針だから。
第2局では、確か…。
「『人型聖宝具』でしたか」
「そうですね。局長がそう呼んでるので」
「そうですか」
と、私は答えました。
呼び名など、大した問題ではありません。
「それよりも、1110番。あなたは…」
「あ、ちょっと待ってください。その前に、さっきの話の続きをさせてくださいよ」
「…さっきの話?」
「うちの紺奈局長が、優秀だって話」
と、1110番は目をキラキラとさせて答えました。
目に、ラメでも散りばめているのでしょうか。
いくら『新世界アンドロイド』と言えど、眼球を傷つける行為は、やめた方が賢明なのではないかと思いますけどね。
「だとしたら、やはり紺奈局長は優秀ですね」
と、1110番は言いました。
笑顔で。
これは凄いことです。
基本的に、『新世界アンドロイド』には喜怒哀楽、つまり人間の感情がありません。
その為、感情が顔に出る、表情が変わるということも滅多にありません。
とはいえさすがの私も、表情が全くない訳ではありません。
以前久露花局長に「うっかり3ヶ月分注文しちゃった!ヘレナちゃんにもあげる〜」だとか言われ、ダース単位でチョコレートの箱をもらったときには。
現場を見ていた朝比奈副局長によると、私もうんざりしたような顔を見せていたそうです。
それは当然ですね。
しかし中には、私よりもっと表情が乏しく、全く人間的な部分を持っていない『新世界アンドロイド』もいます。
どちらかと言うと、私も表情に乏しい部類に入ります。
だからこそ私も、その人間の感情を理解する為に、『人間交流プログラム』に参加しているのです。
勿論、『新世界アンドロイド』によってそれぞれ個体差はあります。
そして1110番『アロンダイト』は、『新世界アンドロイド』の中でも、最も「人間的」な感情を持っている個体でした。
だからこそ紺奈局長は『人間交流プログラム』の最初の被験者を、1110番に選んだのでしょう。
何せ1110番は、『Neo Sanctus Floralia』にいたときから、笑うことが出来ましたが。
基本的には、局長や副局長の命令を聞き、その命令を忠実にこなす以外に、自分の意見を口にすることはないのが、『新世界アンドロイド』です。
それなのに1110番は、割と稼働初期の段階から、表情が豊かで、感情表現を示していました。
とはいえ、その相手は主に紺奈局長相手だけであり。
他の人物に対しては、ほぼ全く感情を示さなかったのですが…。
そういう意味では、1110番は、とても偏った特徴を持っていたと言えます。
だからこそ紺奈局長は、自分に対して以外にも感情を広げるように、と。
『人間交流プログラム』を立案し、1110番に受けさせたのでしょうね。
そして、その効果は絶大なものだったと推測出来ます。
1110番の言う通り、紺奈局長は優秀です。
何故なら今、1110番は。
紺奈局長以外の人物、つまり私に対して…笑顔を見せているのですから。
これは、1110番の成長と言えるでしょう。
『人間交流プログラム』には、確かな効果があるのだと実証されました。
「そうですね。今のあなたの様子を見るに、紺奈局長の考案した『人間交流プログラム』は、『新世界アンドロイド』にとって有効だったと考えられます」
「『新世界アンドロイド』…ですか。確か第4局では、そう呼んでるんでしたね」
と、1110番は言いました。
そういえば、そうでしたね。
我々アンドロイドに対しては、様々な呼称があり、統一されていません。
所属する局によって様々です。
私が自分を『新世界アンドロイド』と自称しているのは、第4局がそういう方針だから。
第2局では、確か…。
「『人型聖宝具』でしたか」
「そうですね。局長がそう呼んでるので」
「そうですか」
と、私は答えました。
呼び名など、大した問題ではありません。
「それよりも、1110番。あなたは…」
「あ、ちょっと待ってください。その前に、さっきの話の続きをさせてくださいよ」
「…さっきの話?」
「うちの紺奈局長が、優秀だって話」
と、1110番は目をキラキラとさせて答えました。
目に、ラメでも散りばめているのでしょうか。
いくら『新世界アンドロイド』と言えど、眼球を傷つける行為は、やめた方が賢明なのではないかと思いますけどね。


