「『人間交流プログラム』の…?」
「はい。とはいえ…僕も、絶賛継続中の身なんですけどね」
と、1011番は言いました。
…そういうことですか。
久露花局長は、『人間交流プログラム』に参加する『新世界アンドロイド』は、私が二人目だと言っていました。
従って、私より先に、このプログラムに取り組んでいる『新世界アンドロイド』がいるということです。
それが誰なのかは、聞いていませんでしたが…。
まさか、自分から告白しに来るとは。
『人間交流プログラム』において、私より先輩。
それはつまり、私より先に『人間交流プログラム』に…このプログラムの、最初の被検体に…なったのは。
この、1110番だったということですね。
そうだったんですか。
それを知ったところで、どうなるとも思えませんが。
「そもそも、この『人間交流プログラム』そのものを企画したのは、うちの紺奈局長ですから」
と、1110番は言いました。
確か、久露花局長もそんなことを言っていましたね。
このプロジェクトを考えたのは、第2局の人間だと。
そして第2局の局長は、1110番の敬愛する紺奈局長です。
成程。あの方が考案したのですね。
何度か会ったことはありますが、真面目で厳格そうで、局長としての威厳のある方です。
少なくともあの方なら、毎時間チョコレートを食べなければ、禁断症状が出るようなことはないでしょう。
それだけでも、素晴らしいことですね。
1110番が、紺奈局長を尊敬するのも、理解出来ます。
「紺奈局長は、あなたが私に接触することを許可しているのですか?」
「さぁ。聞いてみたことがない」
と、1110番は言いました。
「しかし、私達の身体には、常に現在地を送信する発信機が取り付けられています。今頃、私のところの久露花局長も、あなたのところの紺奈局長も、私達が接触していることを把握していると思いますよ」
と、私は言いました。
『新世界アンドロイド』同士の接触。
『Neo Sanctus Floralia』ではよくあることですが、外の世界では、ほとんど有り得ないことです。
『新世界アンドロイド』同士が、もし市街地でぶつかり合うようなことになれば…。
最早、取り返しが付きません。
…とはいえ。
そんなことは、決して有り得ません。
私が紺奈局長を侮辱するようなことを言わなければ、彼はそれだけで大人しいでしょう。
人間同士は、よく争いますが。
私達『新世界アンドロイド』は、争うことはありません。
原則的に。
例えばこの1110番の場合、紺奈局長を非常に敬愛しているので。
もし紺奈局長を侮辱するようなことを言えば、『新世界アンドロイド』同士での争いも勃発しかねません。
実際、そんな事件が『Neo Sanctus Floralia』内で起きたそうです。
私はその場に居合わせていないので、詳細のほどは不明ですが。
紺奈局長への文句を口走ったAランクの『新世界アンドロイド』がいたそうで。
それを聞きつけた1110番が、その『新世界アンドロイド』を半壊させたとか。
本人曰く、「単なる甘噛み」だったそうですが。
向こうは全治半日の大怪我だったのですから、気の毒です。
しかも、紺奈局長が止めるまで、誰の制止も聞き入れなかったそうです。
あのとき紺奈局長が駆けつけなければ、今頃どうなっていたことやら…。
…と、そんな昔話はどうでも良いですね。
そのAランクの『新世界アンドロイド』には気の毒ですが、あれはもう過ぎ去ったことです。
今は、今の話をしましょう。
「はい。とはいえ…僕も、絶賛継続中の身なんですけどね」
と、1011番は言いました。
…そういうことですか。
久露花局長は、『人間交流プログラム』に参加する『新世界アンドロイド』は、私が二人目だと言っていました。
従って、私より先に、このプログラムに取り組んでいる『新世界アンドロイド』がいるということです。
それが誰なのかは、聞いていませんでしたが…。
まさか、自分から告白しに来るとは。
『人間交流プログラム』において、私より先輩。
それはつまり、私より先に『人間交流プログラム』に…このプログラムの、最初の被検体に…なったのは。
この、1110番だったということですね。
そうだったんですか。
それを知ったところで、どうなるとも思えませんが。
「そもそも、この『人間交流プログラム』そのものを企画したのは、うちの紺奈局長ですから」
と、1110番は言いました。
確か、久露花局長もそんなことを言っていましたね。
このプロジェクトを考えたのは、第2局の人間だと。
そして第2局の局長は、1110番の敬愛する紺奈局長です。
成程。あの方が考案したのですね。
何度か会ったことはありますが、真面目で厳格そうで、局長としての威厳のある方です。
少なくともあの方なら、毎時間チョコレートを食べなければ、禁断症状が出るようなことはないでしょう。
それだけでも、素晴らしいことですね。
1110番が、紺奈局長を尊敬するのも、理解出来ます。
「紺奈局長は、あなたが私に接触することを許可しているのですか?」
「さぁ。聞いてみたことがない」
と、1110番は言いました。
「しかし、私達の身体には、常に現在地を送信する発信機が取り付けられています。今頃、私のところの久露花局長も、あなたのところの紺奈局長も、私達が接触していることを把握していると思いますよ」
と、私は言いました。
『新世界アンドロイド』同士の接触。
『Neo Sanctus Floralia』ではよくあることですが、外の世界では、ほとんど有り得ないことです。
『新世界アンドロイド』同士が、もし市街地でぶつかり合うようなことになれば…。
最早、取り返しが付きません。
…とはいえ。
そんなことは、決して有り得ません。
私が紺奈局長を侮辱するようなことを言わなければ、彼はそれだけで大人しいでしょう。
人間同士は、よく争いますが。
私達『新世界アンドロイド』は、争うことはありません。
原則的に。
例えばこの1110番の場合、紺奈局長を非常に敬愛しているので。
もし紺奈局長を侮辱するようなことを言えば、『新世界アンドロイド』同士での争いも勃発しかねません。
実際、そんな事件が『Neo Sanctus Floralia』内で起きたそうです。
私はその場に居合わせていないので、詳細のほどは不明ですが。
紺奈局長への文句を口走ったAランクの『新世界アンドロイド』がいたそうで。
それを聞きつけた1110番が、その『新世界アンドロイド』を半壊させたとか。
本人曰く、「単なる甘噛み」だったそうですが。
向こうは全治半日の大怪我だったのですから、気の毒です。
しかも、紺奈局長が止めるまで、誰の制止も聞き入れなかったそうです。
あのとき紺奈局長が駆けつけなければ、今頃どうなっていたことやら…。
…と、そんな昔話はどうでも良いですね。
そのAランクの『新世界アンドロイド』には気の毒ですが、あれはもう過ぎ去ったことです。
今は、今の話をしましょう。


