あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

「……はるか」

今にも泣き出しそうな声だと自分でもわかる。


「……奈央、元気にしてた?」

声変わりをして低くなった声が、時の流れを感じさせる。


私は身体を起こして、遥と向き合おうとした。

「まだ横になってた方がいいって」

そう言って遥に両肩を押されたけれど、その手を振り払った。


頭がクラクラしているように感じるのは、急に身体を起こしたせいでも怪我のせいでもなく、私がこの状況に動揺しているからだと思う。

「元気にしてたじゃないよ。……はるか、私のこと覚えてた?」

私はいつもの余裕なんてなくて、冷静さも失っていた。

「忘れるわけないだろ。何年経ったって、奈央は大切な幼なじみだよ」

そんなに優しい声で、優しい顔で笑わないで。

昔みたいに「泣き虫」に戻っちゃうから。

油断をするとすぐに涙が出そうになる。