十一月下旬、冷え込む朝。あと一ヶ月ほどでクリスマスがやってくる。

人肌が恋しくなるのか、やたらとカップルが増え始めるこの季節。

『クリスマスは誰と過ごすのか』

校内はそんな話題で持ちきりだ。

冬の一大イベント。そりゃあ誰だって、好きな人と過ごしたいよね……

そんなことを考えながら、母がプレゼントしてくれた真っ白の分厚いマフラーを口元の方までぐるぐるに巻いて登校する。

昔から寒いのは苦手だ。それに、遥がいなくなったのもこんな寒い季節だったから、余計に冬は好きになれない。