あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

「俺、断られると思ってた」

その日の一緒に帰った帰り道。結人くんにそう言われた。

「バレンタインに呼び出しておいて、断る人いるかな?」

「いや、平田なら何言いだすかわかんないし、ありえるかなぁと思って」

あの結人くん、いったい私にどんなイメージ持ってるのさ……

「さすがにそこまで無神経じゃないよ、私」

「そう?それなら安心したわ」

結人くんは優しく笑った。

「断ろうなんて考え、全然なかったよ」

「でも平田、俺が告白した日から目も合わせてくれなくなったし、嫌われたんだと思ってた」

「それは違くて。私のこと友達みたいに思ってないんだって思うと、なんか無駄に意識しちゃって。だから……勘違いさせるような態度とっちゃってごめんね」

「いや、これからも今まで通りでいいよ。友達みたいになんでも言い合えるような関係で」

「澪と結人くんみたいな?」

「いや、あれは男友達の域に入ってるからなー。平田があんなになったら悲しいかも」

「それ、澪が聞いたら絶対怒るよ」

「うん。だから内緒な」


でも、『今まで通りでいい』そう言ってくれて安心した。

彼氏だって変に意識すると、また困らせるような態度をとってしまうかもしれないから。