あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

「でもさ、奈央はてっきり運命の人とか信じてると思ってた」


私の心が水風船だったら、上から針の雨が降ってくるような、そんな感覚だった。

「……運命の人」


正直、遥が戻ってきたとき、『これは運命の糸で結ばれていたからだ』って思ってた。

そう、信じたかった。


でもそれは、私の一方通行の想いで。


結局は運命なんて、二人がそう思えば運命なんだ。


……つまり、思い込みに過ぎない。


私と結人くんだって、同じクラスでたまたま隣の席で、お互いがこの出会いを運命だと言うならば、それは運命になる。


だから、

「……運命なんてないし、王子様なんていないよ」

気づけば自分に言い聞かせるつもりでそう呟いていた。