あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

「大好きな幼なじみくんからもらったものなんでしょ?」

「……えっ!なんでそのこと……」

目の前で、全部お見通しですよ〜とばかりに、悪い笑みを浮かべる結人くんがいた。

私、知り合いにもらったとしか言ってないよね?!


……どうして、バレてるの?

「なになに?楽しそうに今度はなんの話してるの?」

お手洗いから戻ってきた澪がさっそく話に加わる。

「ん?平田のこのストラップさ、大好きな幼なじみの…『ちょっと結人くん!!』」

「澪!なんでもないから!この話はもう終わり!おしまい!」

遥が私の幼なじみだなんて、澪にばれたら大変だ。


「なによ~余計気になるじゃない。奈央、めずらしく焦ってるし」

「焦ってないし。別に面白い話でもないから、澪は知らなくていいの」


……もう!結人くんってば変なとこ鋭いんだから。

私は右手の人差し指をそっと口元に持っていき、『内緒だよ』の合図を結人くんに送った。

秘密を握ったからなのか、結人くんは「うんうん」と頷きながら楽しそうに笑ってた。