あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

「あっちなみに、ホワイトクリスマスっていうのは、降雪だけじゃホワイトクリスマスって言わないらしいよ」

「えっそうなの?雪が降ればホワイトクリスマスなんじゃないの?」

「違うよ。この雪が積もって初めて、ホワイトクリスマスって言えるんだよ。だから、この状態はまだホワイトクリスマスじゃない」

昔、遥から教えてもらったことを思い出した。


「平田って変なとこ詳しいんだな」

「でしょー。昔ね、なぜか知識だけは豊富で、上から目線の幼なじみに教えてもらったことがあったんだ」

単語を一つ説明するにしても、遥を思い出すきっかけになってしまうのが、今は辛い。


「そうなんだ」

「うん。あっこの雪もどうせなら積もってほしいね」

「たしかになぁ」

「冬は寒くて嫌いだけど、こういうのがあるから案外楽しいかも」

本当にそう思えた瞬間だった。

「そうだなぁ」

そんな話をしながら、結人くんと一緒に手のひらに降ってきては溶けていく雪を、ただひたすらに見つめていた。