あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

かれこれ十五分くらいベンチの周辺を探してみたけれど見つからなくて。

ほんと、どこ行っちゃったんだろう……

ストラップ一つでこんなに不安になる私は、やっぱり変わり者なのかもしれない。


……でも、遥のこと好きとか嫌いとかは関係なく、大切な幼なじみからもらったものだから。

大事に持っておきたいんだ。

ただそれだけのこと。

もう一度ベンチの周辺をくまなく探していたとき、三歩ほど隣にいた結人くんが呟いた。


「……雪?」

「えっ、」

あわてて空を見上げた。はめていた手袋を取り手のひらを上に向ける。

「あぁ、ほんとだ。雪、だね」

それは手のひらに落ちてきてはすぐ消える。


みぞれ……?いや、こういうのはあられっていうのかな?

私は専門家じゃないから区別はつかないけれど、積もらなそうな雪が降ってきた。


「一応、ホワイトクリスマス?」

「……ホワイトクリスマス?」

結人くんが普段言わなそうな言葉をいきなり言ったから、少し吹いて笑ってしまった。

「えっ、俺なんか変なこと言った?」

結人くんの口から「ホワイトクリスマス」だなんて。

澪だったら絶対にスルーしないで突っ込んだだろうなぁ。

澪がこの場にいなくてよかった。いや、いたらいたで面白そうだけど。想像しただけで笑ってしまう。

「違うの。こっちの話だから」

「なんだよそれ」

結人くんもつられて笑ってた。