✳︎奈央side✳︎
——十二月二十四日、クリスマスイブ。
駅前のベンチに腰掛けコートのポケットに手を入れ、肩が上がって寒そうにしている結人くんを見つけた。
時計は十一時十分を指している。急いで準備して家を出たけど十分遅刻だ。
昨日はアルバムを眺めながら眠りに落ちてしまい、目覚ましをかけ忘れた。
「結人くんごめん!お待たせ」
私に気づき結人くんはベンチから立ち上がった。
「いや俺も今来たところだから。てか急に誘ってごめんね。来てくれてありがとう」
「ううん、予定のないクリスマスイブは寂しいから、逆に誘ってくれて感謝だよ」
「そう?ならよかった。じゃあ行こっか」
「うん」
そう言って歩き出す二人。横を歩く結人くんを見る。
制服を着てないと新鮮な感じがする。たぶん、結人くんも私を見て同じことを思ってるだろう。
私服姿は九月の文化祭の打ち上げ以来、かな。
紺色のダッフルコートとチェックの赤いマフラーという組み合わせが結人くんらしい。
背が高くて足が長いから、細身のジーンズもよく似合っている。
——十二月二十四日、クリスマスイブ。
駅前のベンチに腰掛けコートのポケットに手を入れ、肩が上がって寒そうにしている結人くんを見つけた。
時計は十一時十分を指している。急いで準備して家を出たけど十分遅刻だ。
昨日はアルバムを眺めながら眠りに落ちてしまい、目覚ましをかけ忘れた。
「結人くんごめん!お待たせ」
私に気づき結人くんはベンチから立ち上がった。
「いや俺も今来たところだから。てか急に誘ってごめんね。来てくれてありがとう」
「ううん、予定のないクリスマスイブは寂しいから、逆に誘ってくれて感謝だよ」
「そう?ならよかった。じゃあ行こっか」
「うん」
そう言って歩き出す二人。横を歩く結人くんを見る。
制服を着てないと新鮮な感じがする。たぶん、結人くんも私を見て同じことを思ってるだろう。
私服姿は九月の文化祭の打ち上げ以来、かな。
紺色のダッフルコートとチェックの赤いマフラーという組み合わせが結人くんらしい。
背が高くて足が長いから、細身のジーンズもよく似合っている。