家に着いたときには、時刻はすでに十八時半を過ぎていた。
玄関を開けると芳香剤と夕飯の匂いが混ざったような、自分の家特有の匂いがして安心した。
「ただいまー」
「あらおかえり。遅かったわね、もうすぐ夕飯できるわよ」
「うん。着替えてくる」
お母さんがいつもと同じテンションで話しかけてくる。
冷えきった心と身体には、この明るさと家の暖かさが意外とありがたかったりする。
二階にある自分の部屋で部屋着に着替え、カバンから取り出したスマホを机の上に置く。
「……嘘、でしょ」
机に置いたスマホを見て愕然とした。
二人の関係の終わりを告げるにはぴったりのタイミングだった。
スマホに付けていた黄色いシュールなキャラクターのストラップがなくなっていた。
紐の部分がだいぶ前から劣化していたから、おそらく切れたんだと思う。
だって七年も前にもらった物だから。それに七年もの間、肌身離さず持ち歩いてたから。
このストラップは離れてても私と遥をつないでくれている気がして、ずっと大事にしてきたものだったのに……
玄関を開けると芳香剤と夕飯の匂いが混ざったような、自分の家特有の匂いがして安心した。
「ただいまー」
「あらおかえり。遅かったわね、もうすぐ夕飯できるわよ」
「うん。着替えてくる」
お母さんがいつもと同じテンションで話しかけてくる。
冷えきった心と身体には、この明るさと家の暖かさが意外とありがたかったりする。
二階にある自分の部屋で部屋着に着替え、カバンから取り出したスマホを机の上に置く。
「……嘘、でしょ」
机に置いたスマホを見て愕然とした。
二人の関係の終わりを告げるにはぴったりのタイミングだった。
スマホに付けていた黄色いシュールなキャラクターのストラップがなくなっていた。
紐の部分がだいぶ前から劣化していたから、おそらく切れたんだと思う。
だって七年も前にもらった物だから。それに七年もの間、肌身離さず持ち歩いてたから。
このストラップは離れてても私と遥をつないでくれている気がして、ずっと大事にしてきたものだったのに……