十二月下旬。明日はクリスマスイブ、明後日はクリスマスだ。

寒いのは苦手だけれど、身体が冷えていくことも頬を冷たい風が冷やしていくことも、今日は苦に感じられなかった。

それに一人ぼっちの空間が今の自分に合っていて、妙に心地よかった。


七年ぶりに私の前に現れた遥は人気者になっていた。

近づくことも許されないぐらいに遠い存在になってしまったんだ。


私が隣にいられなかった間に、遥はどんな経験をしてどんなふうに成長していったんだろう。

タイムマシンがない限り、どう頑張ったって私がそれを知ることはできない。


七年の空白は大きすぎて、それを埋めることはできないんだ。


『遥の恋人になれなかったとしても、幼なじみとしてまた……』

そんなふうに考えてはその思いをすぐにかき消した。

希望を持ったり期待した分、傷つくのは自分なんだから。