あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

……でももう、私には関係ないこと。


遥があのときの約束を覚えててくれてるって信じたかった。

王子様みたいに私を迎えに来てくれるんじゃないかって、心のどこかで期待してた。


……でも遥は、私のところには来なかった。私は今まで夢を見過ぎてたんだ。

よく考えれば当然のこと。だってあのときから七年も経ってるんだから。

……人の気持ちは、変わるものだから。


廊下や昇降口で遥とすれ違ったとき、目が合ったと思う瞬間もときどきあったけれど、私の勘違いだったみたい。


遥が来てくれないのなら自分から遥のところへ。

そう思って会いにいこうとしては、二組の教室の前で何度も踏みとどまった。