そういえば私、ここの公園で遥に逆プロポーズしたことがあった。

……たしか、幼稚園の頃。


『大きくなったら遥のお嫁さんになりたい』って。

そんなふうに自分の気持ちを素直に言えてたあの頃が懐かしい。今の可愛げない自分からは考えられないけど。


「……あれ、遥はそのあと、なんて言ってくれたんだろう」

目を瞑って記憶をたどって思い出そうとしたけれど、どうも思い出せない。

そこの記憶だけがすっぽり抜けていた。


……まさか、断られて悲しくなって記憶から消したとか?!

あり得るな、私のことだから。私は怖くなって考えるのをそこでやめた。


アルバムをめくるたび、いろいろな思い出が鮮明によみがえってくる。

……懐かしい。そう思うのと同時に寂しい。


……もう、無理なのかな。