追いかけっこしたりなわとびしたり、お花を摘んだり。幼稚園の制服を着て真剣にお花を摘む私と遥の写真が何枚かあった。

私のお母さんが撮ったのかな。

隣に貼ってあるもう一枚の写真には、遥にシロツメクサの花かんむりを頭に乗せてもらっている瞬間が収められていた。

横顔からでも伝わってくる。にっこにこの笑顔。嬉しそうだ。


……あ、この瞬間覚えてる。遥が王子様に見えて、私はお姫様になったみたいで、心がときめきで溢れていた。


花かんむり、よく作ってもらってたなぁ。遥は小さい頃から手先が器用だったから。

折り紙でもあやとりでも、花かんむりを作るにしても、なにをするにも私よりよくできた。

不器用な私に、遥は隣でいつも指導してくれてたな。