✳︎奈央side✳︎

家に帰ってから、久しぶりに小さい頃のアルバムを戸棚から引っ張り出して開いた。

遥がいなくなったばかりの頃はどうしようもなく寂しくて。

その寂しさをまぎらわすために、学校から帰ってきては毎日のように遥と撮った写真を眺めていた。

女の子の友達と写っている写真よりも、遥と写っている写真のほうが圧倒的に多い。

そのくらい、小さいときからいつも一緒にいた。どの写真も、遥の隣にいる私はいつも嬉しそうに笑っている。

「小さいながらに恋してたからなぁ。微笑ましい」


何ページかめくると、あの公園で撮った写真が何枚か出てきた。

七年前、約束を交わしたあの公園だ。


まあ公園っていうのは名前だけ。だだっ広い野原みたいなところだから、子供が遊べる遊具とかはないんだけどね。

あるものといえば、シニアの方がゴルフやテニスをする場所と、ベンチが所々に置いてあるぐらい。

それでも、私は子供ながらにこの開放的な公園が好きで、遥を誘ってよく遊びに行っていた。