「おい、俺があげたの魔除けって言うな」

「だってこれ、可愛くないんだもん。せめてもうちょっとまともなのがよかったー」

「とか言いながら、ほんとは気に入ってんだろ?」

「いや、それはあり得ないから。遥、趣味悪すぎ」

そんな他愛もない話をしながら、昔みたいに隣を歩いていた。

本当はね、この当たり前のように思える日常が、泣けちゃうぐらいに幸せなんだ。

隣にいられることが、奇跡みたいに思えてくる。

だって、七年も離れ離れになってたんだから。