隣に座る遥の横顔を見つめた。

スーツを着た遥はさらに大人びて見えて、一段とかっこよかった。

遥と過ごした高校生活は短かった。

遠回りしてしまったこと、後悔はしてない。

でも、想いが通じあってから過ごした高校生活は、驚くほどあっという間に終わってしまった。

……それが少し、寂しくもあった。


だから余計に、彼女として遥の隣で過ごすことのできる、これからの学生生活に期待してしまう。

家にある思い出のアルバムには、写真を貼るスペースがこれでもかというぐらい空いている。

これから二人の写真が増えていくのを、今か今かと心待ちにしているんだ。


「あーあ。遥がモテないか心配だなー」

入学式が終わり、大学から最寄りの駅までを二人で歩いていた。


「奈央こそ、誰にでも愛想よくすんなよ。男はすぐ勘違いすんだから」

「私は大丈夫だよ。この魔除けのストラップがあるから」

スマホを取り出して遥に見せつけた。