あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

私は私で結人くんとの久々のデートを思いっきり楽しめばいいんだ、と気持ちを切り替えることにした。

夏休みに入って最初の土曜日に、四人で予定を合わせた。

遊園地の中は週末ということもあり、家族連れで賑わっていた。

着ぐるみを着たスタッフが小さい子どもに風船を配っている。風船をもらった子どもは嬉しそうに両親のもとへ走って行った。そんな光景を横目に見て、少し微笑ましい気持ちになれた。

私は結人くんの隣を歩いて、彩月は遥の隣に行ってもらった。

彩月が遥との距離を少しでも縮められるように、結人くんにも協力を頼んだ。

『それは別に構わないけど。……奈央、あんまり無理すんな』

結人くんはそう言ってけど、無理っていったい何に対してのこと?

そもそも、遥はこの状況をどう思ってるんだろう?

ここの遊園地の中で、一番規模の大きいジェットコースターに並んでいるとき、楽しそうに会話をする前の二人を見ていた。

遥も楽しそうにしている。その笑顔を見て彩月も嬉しそうだった。


……なんだ、初対面なのに二人お似合いじゃん。

笑い合う二人は、美男美女の恋人同士にしか見えない。

私が協力しなきゃいけないことなんて、なにもなさそうだ。