たしかにあの公園に行くときは、決まって私から誘ってたけど。

「えっ、だって遥、楽しそうにしてたから。てっきり、あの公園が好きなんだと思ってた……。だから毎回誘ってたんだよ」

七年越しの真実。……まさかのありがた迷惑だったなんて。

「俺は、公園が好きなんじゃなくて……」

なにを言い出すかと待っていたけれど、なかなか口を開かない遥。

「なに?」

視線を合わせようとしない遥の顔を覗き込むと、渋々遥が口を開いた。

「……奈央が、楽しそうに笑ってるのを見るのが好きだったんだよ」

「……はっ?」

「あんななんもないところ、好きなわけねーだろ」

ぶっきらぼうにそう付け加えた。


……顔や耳が熱くなっていくのがわかった。

ときどき遥は、照れもしないで少女マンガみたいなセリフを言うから、言われたこっちが恥ずかしくなる。

「……もう、なに言ってんの!どうだっていいから早く行こ」

赤くなった顔で遥のことは見れないから、遥が返事をする前に歩き出した。