「そうだな。付き合ってくれてありがとな」

「ううん、感謝するのは私のほうだよ」

「俺、意外と優柔不断なとこあるから、買い物とか苦手なんだわ」

「あーたしかにね。……昔さ、遠足に持っていくお菓子一緒に買いに行ったとき、遥いつになっても決められないでいたよね」

普段は頼もしいんだけどね。昔から遥は変なところで弱気というか慎重なところがあった。

「あー懐かしいな。奈央はそういうとこ雑だから、速攻で決めてたよな」

「ちょっと待って、雑ってなに?私は遥と違って決断力があるの!」

「はいはい」

「もう、すぐバカにするんだから」

買った商品を二人で袋に詰め、店内を後にした。

「……なんかこういう会話してると、昔に戻ったみたいだな」

「……そうだね」

空白の七年、遥と一緒に成長できてたなら、数え切れないほどの思い出で溢れてただろうな。

……そう考えると、それなりに楽しかった七年間が、全部無駄に思えて仕方ない。

「……なあ奈央。二人で出かける機会なんてもうないかもしれないし、また再会できた記念に、昔二人で遊んでたあの公園、行ってみない?」

「……遥、あの公園覚えてたの?」

「忘れるわけないだろ。つーか、忘れたくても忘れられないの。奈央にあの公園付き合わされすぎて、夢にまで出てくるよ」

……え?今なんて?
遥、嫌々ついてきてたの?