遥とは、お互いの家の中間地点にあるホームセンターで待ち合わせをした。

ホームセンターの入り口近くで遥を見つける。

遥はデニムに白いTシャツというシンプルな格好だった。

遥がシンプルだからこそ、ワンピースなんか着てきた自分は余計に目立って恥ずかしかった。

私は肩にかけたベージュの小さめバッグを前方へ持っていき、ワンピースを隠すかのように遥の元へ歩いた。

「……遥、お待たせ」

「全然、俺も今来たところだから」

だから、遥が服装に触れてこなかったのは非常にありがたかった。

中へ入ってペット用品のコーナーへ行き、とりあえず今日は必要最低限の物だけそろえることにした。

色々買って使わないものがあったらもったいないしね。

お会計を済ませ荷物を袋に詰めてホームセンターを出る。

「会ったときから思ってたけど、なんか今日の奈央、いつもと雰囲気違うよな?」

……遥、その話はしなくていいんだってば。

「えっそうかな?休日はいつもこんな感じだよ」

気合いを入れてきたと思われたくなくてとっさに嘘をついたけど、声が裏返りそうになる。

「……ワンピース、似合ってるじゃん。可愛い」

「どうせまた、からかってるんでしょ?」

「いや。思ったことそのまま言っただけだけど」

まさか褒められるだなんて思ってなくて、顔が熱くなる。

「……これだけ買えば、安心して猫ちゃん迎えられるね」

このままでは照れてることがばれてしまうと思い、無理やり話題を変えた。

猫を飼い始めるのに必要なものは一通り揃った。