あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

次の日の朝、登校してきた遥が私の席にやってきた。

「奈央、昨日親に聞いてみたらうちで飼ってもいいって。てか親がもともと動物好きだったから、大賛成だった」

「えっほんとに?よかった〜。遥の家で飼ってもらえるなら安心だよ」

「明後日の土曜日、その子猫迎えに行くわ。でもその前に準備するものもいろいろあるし、買い物付き合って」

キャットフードだったりゲージだったりトイレだったり、準備しなければならないものがたくさんある。動物を飼うのは大変だ。

「わかった。引き取ってくれるお礼に付き合う」

土曜日の予定は特になくて、断る理由もなかったから約束をした。

遥が席に戻ったタイミングで澪が登校してきた。

「なになに奈央、今日朝からいいことでもあった?」

「えっ?……別になにもないけど」

「いつもよりも顔が嬉しそうだよー。あー、さては今日、大野と放課後デートでもするのかー?」

「……デート」


……デートじゃない。

そんなことわかってるのに、遥と二人で出かけるのなんて小学生ぶりで、やっぱり気持ちが弾んだ。

でもそれは、幼なじみとして仲良くできているのが嬉しいという意味だ。

……そう何度も自分に言い聞かせていた。