数少ない友達の中でも信頼できる人……頭をフル回転させる。

とりあえず、結人くんと澪と彩月に連絡してみた。

だけど結人くんと彩月はマンションでペット禁止、澪は犬が二匹いるから飼えないとのことだった。

小学校か中学校の同級生、飼えそうな人いるかな?

「……あ、遥は?」

遥って今一軒家かな?昔はたしかインコとカメ飼ってたよな。

というか今、どのあたりに住んでるんだろう。

……「今」の遥のことは全然わからない。


遥に連絡してみようと思い立ったとき、ふと結人くんのことが頭に浮かんだ。

遥とは、今まで学校で話すことはあっても、わざわざ連絡してまで話すことはなかったから。

……まぁでも、緊急を要することだし別にいいよね。同じクラスだから、連絡を取ろうと思えばラインで簡単に繋がれる。

ほんと便利な世の中だ。


通話ボタンを押そうと思い、画面に指を近づけては止め、それを何度も繰り返した。

……なんでこんなに緊張しているんだろう。

いつも通りに話せばいいだけなのに。顔が見えない分楽なはずなのにな。

やっとのことで押せた通話ボタン。

呼び出し音が数回鳴って、すぐに遥の声が聞こえた。

「奈央、どうした?」

急に電話がかかってきて、さすがに遥の声は驚いているようだった。

「あっ遥、急にごめんね。あのさ……」

事情を説明すると、今親が家にいないから、帰ってきたら聞いてみるとのことだった。

遥だったら大切に育ててくれそうだし、良い方向に話が進めばいいなぁ。