あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

そんな出来事があってから一週間が過ぎた。

隣のクラスだけれど、なかなか話す機会はない。

それでも会えば挨拶はしたし、放課後図書室でたまたま会ったときには、オススメの本を紹介しあったりもした。


幸せだった、すごく。昔みたいに遥とまた話ができでいることは夢のようで。

……それでいいんだ。それだけで。それ以上のことは、望んじゃいけない。

「幼なじみ」としてこれからも仲良くしたい。

だって、私には結人くんがいるから。私を好きだと言ってくれた大事な人だから。

「幼なじみ」以外の関係にはなれない。


……なっちゃいけないんだ。


「奈央、今日部活終わったら一緒に帰ろう」

放課後の掃除の時間、結人くんが話しかけてきた。

「うんわかった。教室で待ってるね」

最近、一緒に帰る日が減った。

別に避けているとかそんなことじゃなくて、ただ単に時間が合わなかったんだ。

書道展に出さなければならない作品が納得のいくものにならなくて、部活の時間が終わっても一人で遅くまで残っていることが多かった。

その作品もつい先日仕上がったので、今日は普段通りの時間に帰れる。


球技大会の日、遥と私が保健室で一緒にいたこと、結人くんは知ってるのに何も聞いてこなかった。

結人くんは、たとえ幼なじみの関係だとしても、私と遥が仲良くするのはやっぱり嫌かな……

それとも、私と遥が「幼なじみ」以上にはならないって信用してくれてるのかな。

どっちにしても、不安にさせるようなこと、しちゃいけないないのはわかってる。