あの日に交わした約束は、思い出の場所で。

「……遥、タイミング悪すぎるよ」

私は消え入りそうな声でそうつぶやいた。難しいことを考えるのを避けるかのように、私はいつのまにか眠ってしまっていた。


そして結人くんの声で目が覚めた。

寝て頭の中が整理されたのか、さっきよりもスッキリした感じがする。


ジャージ姿から制服姿になった結人くんがいる。

「奈央、頭痛いのは大丈夫?」

そうだ、嘘ついたんだ。心配する結人くんに『ごめん』と心の中で謝る。


「もう大丈夫だよ。寝たらよくなった」

「そっか、よかった。もう下校時間だけど、帰れそう?」

私、そんなに寝てたの?……てことは球技大会も終わったんだ。

球技大会どころか部活の時間も終わってる。

「……結人くんのバスケしてる姿見れなかった」

今日のスポーツ大会はそれだけが楽しみだったのに。

「いいよ、そんなことは。今度試合見に来て」

いつもと変わらず爽やかな笑顔を見せる結人くんを見て少しほっとした気持ちになった。

「うん、そうするね。あ、制服に着替えないと」

「じゃあ昇降口で待ってる。心配だから家まで送るよ」

「大丈夫。一人で帰れるから。それに、帰りにおつかい頼まれててさ。スーパー寄らなきゃいけないから先に帰ってて」

本当はおつかいなんて頼まれてない。また嘘をついた。

たぶん、今日は遥のことが頭から離れない。

結人くんといても誰といても。

だから、今は一人でいるほうがいいんだ。