今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄


 一つ結びのおばさんは悲しげな顔をする。
「まぁ、それで猫ちゃん最近、飼い主さんの帰りを待ってさ迷っていたのね」
「動物病院のナースさんで美人でまだ若いのに大変ねぇ」

「いつ戻ってこれるか分からないみたいよ」
 ショートカットのおばさんは哀れみの目で猫を見た。
「可哀相に」

 わたしは自分の口に右手を当てる。
 そんな…。

 近所のおばさん2人は歩いて行く。
 猫は何食わない顔をして尻尾を振っている。

 わたしの両目が潤む。
 猫一人になっちゃったんだね。

 あっ…。

 猫が一瞬、過去の自分に見えた。