いつも鞄、右肩にかけてたはず…。 「今日は鞄、左肩なんだね」 「私、ほんとうは左利きなんだ」 「もう真似する必要なくなったから」 わたしは複雑な気持ちに苛(さいな)まれる。 「雪羽(ゆきは)ちゃん、なんでここにいるの?」 春花(はるか)ちゃんはそう問いかけ、冷たい眼差しでわたしを見た。 わたしの顔がサァーッと青ざめていく。 「あ…」 「そんなに相可(おおか)くんと話したかった?」 「っ…」 わたしは言葉に詰まる。 「それとも、『席返して』って言う為に私のこと待ってたのかな?」 春花(はるか)ちゃんは、にっこりと笑う。 「違…」