お母さんは右目から一筋の涙を流す。 「それからはずっと1人部屋の病室にいて」 「私だけは授乳室に呼ばれることはなかった」 「それでも授乳室に行って、『どうして? どうして、雪羽(ゆきは)だけ…』って気持ちになっていた時」 「授乳室から相可(おおか)くんのお母さんが出てきてね」 「僻(ひが)んで、『健康な赤ちゃん生んだからって勝ち誇らないで!』って攻めてしまった…」 「今でも相可(おおか)くんのお母さんの傷ついた顔が忘れられなくて…」 「それが相可(おおか)くんのお母さんとの最後だった……」 相可(おおか)くんの顔が切ない表情に変わる。