「くしゃみ」 「え」 わたしの顔が、かああああっと熱くなる。 「着とけ」 わたしは、はい、と短く答えた。 ガタッ、と隣から音が聞こえる。 相可(おおか)くんが鞄を机の上に置いて、わたしの左隣の席に座る。 相可(おおか)くんに、くしゃみ聞かれてたなんて…恥ずかしい。 だけど黒のパーカー、制服の上から着たら暖かい。 まさか2度も黒のパーカー貸してもらえるなんて…。 あ… 仄(ほの)かにバニラな香りがする。 安心する香り。