今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄



「あのさ、余計なことしないでくれる?」
 自動販売機の前で、ゆりが刺々(とげとげ)しい口調で言い放つ。
 近くには、手洗い場とテニスコートがある。

「余計なこと?」
 姫乃(ひめの)が聞き返すと、ゆりの顔が不快な表情に変わる。

「黒ずきんと一緒に走って」
「更に(ぎん)くん達まで巻き込んで」

 姫乃(ひめの)は強い眼差しでゆりを見つめる。
「巻き込んでないよ」
「一緒に走ったのは(ぎん)達の意思だよ」

「はぁ~?」
(ぎん)くんの幼馴染で隣の席だからって調子のんな」
 ゆりが手を振り上げた――――。