カウンターの中に戻ると、黙々と立ち働く秋野の後ろ姿があった。 その背中は、今、話しかけられることを拒んでいる。 “偉かったな”胸の内で呟いて、俺も仕事に戻った。 暫くして、呼び出し音が鳴った。確認すると、さっきの男たちのテーブルだ。 振り返った秋野が不安げな表情を顔に浮かべて俺を見た。 「俺が行くから。お前はあっちを頼む。」 ちょうど他のテーブルからも呼び出しがかかった。 伝票を持って、秋野の横を抜ければ、 「ありがとうございます。」 ちいさな秋野の声が聞こえた。 .