少しだけ、悲しいような切ないような気持ちで、いつものように仕事場へ続く階段をあがる。 今日はどうしたって言うんだろう。 こんな気持ちを引きずるなんて。 いつまでも感傷に浸っているなんて、俺らしくない。 両手で一度、自分の頬を叩いた。 よし、今夜も酔っ払いの相手や、困った客に見せかけ笑顔を振りまくとしますか。 勢いよく、裏口の従業員用のドアを開けて、着替えをすませて、その勢いのまま厨房へと続くドアを開けた。 .